運動不足は深刻な不調をもたらす

高齢者が運動不足になった場合、筋力が衰え、筋肉量も減ってしまうため、血行が悪くなり、免疫力も落ちます。また、心臓に負荷がかかり、骨も弱くなり、体が硬くなったり、首や肩、腰がこったりと不調が出始めます。運動不足による不調は、高齢者にとって、一過性のものではなく、習慣化する恐れがあります。さらに深刻な症状へ進むと、体のバランス感覚が失われ、転倒などの事故に繋がってしまう原因にもなるのです。

高齢者が転倒すると、打ちどころが悪い場合、そのまま寝たきりになる可能性もあります。また、筋力が衰えると、外出も億劫になり、自宅に引きこもることが増えるでしょう。外からの刺激を受けなくなると、認知症を発症する危険も増えます。その中でも、運動不足による、筋力の衰えや筋肉量の減少、血行不良は、高齢者にとって非常に深刻な問題です。筋肉は、動かさない生活を続けると、どんどん減ってしまいます。

筋肉は、立つ、座る、歩く、持つ、投げる、握る、押す、引くなど、ありとあらゆる人間の動作を支えています。筋肉の量が減り、筋力が衰えることは、人間が日常的に行う単純な動きや動作にも関わってくるのです。また、筋肉量の低下で、血液を押し出す力も衰えるため、血行不良や高血圧、心臓病にもつながり、さらに基礎代謝も低下するため、肥満にもなりやすくなります。運動不足は高齢者でなくとも、気を付けなければいけない点ですが、高齢者にとっては、より重大な結果を招きかねないと言えるのです。